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暦年贈与の注意点

世界でも稀にみる相続税の高い日本。
相続税の基礎控除が下がり、この如何ともし難い状況に、資産家の方は頭を痛めに日々ではないでしょうか?

暦年贈与の注意点

※相続税改定後の基礎控除早見表

「うちは資産家じゃないから大丈夫」とそんな呑気な事も言ってられませんよ。現預金が多額になくても、自宅不動産を入れると3,600万円以上になる方は意外にいらっしゃるのではないでしょうか。


世界には相続税自体が存在しない国(香港、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなど)もあるというのに、日本は先進国の中でもかなり高い水準にあります。

日本   最低税率10% 最高税率55%
アメリカ 最低税率18% 最高税率40%
イギリス 一律40%
ドイツ  最低税率7%  最高税率30%
フランス 最低税率5%  最高税率45%


相続税の基礎控除が下がり、マイナンバーが制定され、出国税が始まり、如何ともし難い

そんな中、ここにきて「暦年贈与」が再注目されています。
贈与税には、大きく「暦年課税」と「相続時精算課税」の2種類がありますが、暦年贈与をすると暦年課税を選択する事になります。

暦年課税とは、1年間の間に財産をもらった人が、その合計額に対して課税されるもので、
期間は、1月1日から12月31日までに贈与された合計額が対象となります。
贈与税は、それら合計額から110万円の基礎控除額を差し引き、残った額に対して課税がなされる仕組みで、合計額が110万に超える場合にのみ、申告・納税が必要となります。


暦年贈与の注意点


10年や20年の長期間を視野に入れるなら、塵も積もればなんとやらで、それなりの総額になる為、有効な相続税対策と言えるでしょう。
しかし、注意しなければならない事もあり、以外にもそれらはあまり知られていません。

1. 贈与総額を決めてはいけない
例えば、贈与の総額を2,000万円と予め決めておき、100万円を毎年分割して20年に渡って贈与した場合、それは「連年贈与」として2,000万円を一括で贈与したとみなされます。
それを回避するためには、毎年の贈与額を一定ではなく、今年は110万円、来年は100万円など、毎年の金額を変更する必要があります。
もしくはこれを回避するために、数年に一回は110万円以上の贈与をして、その年はあえて贈与税を支払うという事も検討するべきでしょう。
損して得取れ、ではありませんが、目先の事ばかりを見るのではなく、長い目で見ることが必要です。

2. 契約書が必要
親子間であっても、贈与する際には贈与契約書を交わしておかなければなりません。「いつ」「だれからだれに」「いくら」贈与しましたということを、後から誰が見ても分かるように客観的な証拠を残す必要があります。
また、契約書には金額や振り込み日などについても記載があることが条件となります。
さらに、当然ですが親が勝手に子のサインをしてはいけません。

※契約書参考例

暦年贈与の注意点



3. 現金渡しは×。
贈与資金は銀行振り込みで行ったほうがベターです。また、その際の預金通帳や印鑑は必ず贈与される側が管理しておく必要があります。親が所有していた場合、名義口座としてみなされ相続財産として課税されてしまいます。
お金をあげる側の親の気持ちとしては、相続対策はしたいが、今はまだ子供に現金を自由に使わせたくない。なので、子供名義の通帳に振り込みは行うがその通帳は自分で管理し、子供が自由にお金を使わないようにし、「あげたことにする」状態にする人が結構います。
しかしこれは税務署に暦年贈与とは認めらえません。

4. 事前準備が重要
相続開始前3年以内の暦年贈与は、相続税の課税対象になります。例えば、暦年贈与を初めて、3年目に贈与する方が亡くなった場合、相続開始前3年以内におこなった分の贈与は相続税の課税対象とされます。
よって、暦年贈与は1日でも早く元気な時期から計画する事が重要なのです。


このように、しっかりとした知識を持って暦年贈与をしなければ、後から結局課税されてしまった、という事になりかねませんので注意が必要です。