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海外預金の相続について

2015年1月1日に改正相続税法が施行され、相続税の増税より1年以上が経過しました。
改正される前の税率なら納税が発生しなかったはずなのに、改正後の基礎控除減などによって納税が発生した方が沢山いるでしょう。
日本の相続税は今後も増税される予定ですので、「資産が沢山ある人だけの問題」ではなくなってきました

さて、今回は海外預金の相続について少し考えてみたいと思います。


■面倒な手続きが必要な海外相続

まず、基本的条件として、日本居住者が海外に資産を所有している場合、その資産内容がどのようなもの(預金、債券、不動産など問わず)であれ、日本国内の相続税課税資産に含まれます。
ですので、金額の多寡に関わらず、海外口座の預金も当然相続財産となり、万が一口座所有者が死亡した場合、相続人への資産継承が行われます。

日本国内にある預金の場合、相続人が決定されれば故人の預金口座の凍結が解除され、相続人がその資産を引き継ぐことが出来ます。
しかし、海外預金となると`こと´はそうシンプルではありません。

ご存知の通り、日本の相続に関する法律は世界共通ではありませんので、現地での相続の仕組みや法律に沿って手続きを進めていく必要があります。
国際相続の手続きにおいては、「プロベート(検認裁判)」と呼ばれる裁判手続きが一般的ですが、このプロベート、実は非常に厄介なのです。
プロベートによる相続手続きは裁判所の管轄となる為、プロベート期間中は財産を自由に処分できませんし、非常に多くの書類提出(当然英語です)が伴い、場合によっては相続人が何度も現地の裁判所に行かなければなりません。その回数が多くなれば、渡航費、通訳費用などが嵩みますし、何よりもかなりの時間が掛かります。
現在プロベート手続きを採用している主な国は、米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、香港、シンガポール、マレーシアなどです。

プロベートを経て、対象資産が自分の財産になるのは早くても1年半、長ければ10年以上も掛かることがあります。その間、日本と現地を行ったり来たり。途中であきらめて財産放棄する人がいることも頷けます。

さらに問題なのは、日本では相続税の納付期限が「被相続人の死亡から10ヶ月以内」となっているにもかかわらず、プロベートに非常に時間が掛かる為、日本側の税務署とのやり取りにも苦心する事になります。


■プロベートを回避する方法

結論から言うと、プロベートを回避する方法はありません。しかし、プロベートをスムーズに行い、時間や労力を劇的に短縮できる方法があります。
それが、現地での遺言書作成です。
お間違えないようにして頂きたいのは、日本での遺言書作成ではありません。現地での遺言書作成です。

日本で作成した遺言書が、仮に英語で作られていても、現地ではそれは何の効力もありません。現地には現地の法律があり、遺言書の作成についてもルールがあります。
現地の弁護士に依頼をし、現地の法律に沿った遺言書を作成している場合、現地に渡航したり、相続に何ヶ月も要するという事はありません。

遺言書の作成は弁護士に依頼をしますので当然費用は掛かります。しかしながら、もし遺言書が無ければその何十倍もの費用が掛かる可能性がある事を考えると、遺言書作成費用は必要経費と考えるべきでしょう。

弊社では、現地に行く事なく、現地の弁護士に遺言書を作成してもらうサポートを行っておりますので、ご希望の方は是非ご検討頂くのが宜しいかと存じます。
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