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財産債務調書制度について

平成27年度税制改正によって定められた財産債務調書制度ですが、今年の3月15日が最初の提出期限となります。
財産債務調書とは個人の貸借対照表(バランスシート)を記載し、保有する資産を一覧にして届け出よ、というものです。
資産の種類、価格、量など、すべてをこと細かく報告する義務があります。
対象者となるのは、総所得金額が年間2,000万円(退職金は含まず)を超える人で、資産が3億円(時価額)以上あるか、有価証券などが1億円(時価額)ある人となっています。
資産に該当するのは、預貯金、有価証券、不動産、自動車、家財、書画骨董など、あらゆる財産であり、当然、海外資産も含まれます。

気を付けたいのは、純資産ではなく、債務控除前の資産額となるため、例えば資産3億円で負債1億円(純資産2億円)の人であっても対象となります。
不動産投資などを積極的にされている方は、負債額に関わらず資産額で計算される為、かなりの人が対象になってくるでしょう。

また、申告書にはマイナンバーを記載する欄もあります。
2018年にはマイナンバーが銀行口座と紐づけられる予定ですので、それを見越した上での今回の動きと読めます。


罰則について

財産債務調書の不提出・虚偽記載については、現時点では罰則規定はありませんので、この点は、国外財産調書とは違います。
しかし、だからといって提出しなくても問題ないか?と言えば、それは違います。
提出しなかった場合は、当然本格的な税務調査に移行する可能性は非常に高くなるでしょう。
税務署には質問検査権というのが認められていますので、罰則があろうがなかろうが、彼らは最終的には知りたい情報を必ず手に入れます。


国民の資産すべてがガラス張りに

税務当局がここまで執拗に、国民の財産を把握しようとする理由は簡単で、将来的には資産税を課税する為です。
貯蓄税や死亡消費税といった言葉が最近ニュースを賑わしていますね。
銀行口座にマイナンバーが紐づけられれば、すべての資産が洗い出されます。
どこからどのようなお金が入り、どのようなお金が出ているのか?すべてガラス張りになるのです。
仮に資産税の制定がまだ先であっても、預金税というのはかなり現実的だと思います。
預金するだけで税金が取られる、という時代になるのでしょう。預金金利はゼロに近い訳ですから、当然預金しているだけでお金が減っていきます。
そうなると、銀行に預けない人が増えるかもしれませんね。所謂タンス預金。
しかし、その時に国は新札発行という切り札を切ってくるのは目に見えています。
つまりデノミです。
いかんともしがたい状況が現実的に始まってきたと言えるでしょう。


対策

個人に対しての課税が強化される中、法人に対する課税は軽減されています。
個人で資産を保有したり、運用する事で税金が高くなるなら、法人で運用すればいいのです。その代表的なスキームが、「資産管理会社」です。
個人で保有している資産を法人に売却(又は委託)し、それを法人が運用します。そこから上がる収益はすべて法人所得となる為、個人の所得軽減になります。
また、配偶者や子供がいる場合、法人経由で所得を分配できるため、将来の相続税対策にもなります。
今まさに、この「資産管理会社」を利用した節税スキームが注目を集めています。
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